[2020年5月2日] 5月1日の感染状況、政府方針への見解、特別定額給付金について

5月1日の感染状況

5月1日の感染者の発表はありませんでした。これで千葉市は4日連続となります。千葉県全体でも6日連続1桁となっています。

実効再生産数は千葉県は0.28と非常に低い状況を維持しています。千葉駅周辺の人流データも、感染拡大以前との比較で56.0%の減少、宣言前(7日)との比較でも45.4%の減少となっています。一人ひとりの行動変容の結果です。心から敬意を表します。
自粛に疲れ、少し遠出したくなる陽気ですが、私たちの今後の為にも、何より子どもたちの日常を取り戻すために、まずは5月6日までこの行動変容を続けていくことが肝心です。

千葉市では週末や祝日もドライブスルー方式を実施するなど検査はしっかり行っていますので、低減傾向にあることは間違いありません。
ただし、今後もずっとゼロということは考えにくいので、感染者が発生することもあり得るでしょうし、クラスター化することも否定できません。大事なことは市民の皆さんが3密環境を避けるなどを行動変容を続けて頂き、感染が散発的な形で続き、市中感染とならないようコントロールしていくことです。

私は2月頃より「大事なことは重篤者を出さないこと」と申し上げてきました。
新型コロナウイルスは麻しんなどと比べると感染力・毒性ともに低く、社会として本来共存可能な感染症です。高齢者や基礎疾患所有者など高リスク群への感染拡大を防ぐことが重要であり、その点で医療機関や福祉施設の対策が一番大事で、関係者の皆さんの日々のご努力に心から感謝申し上げるものです。

千葉県は5月1日、県内で未だ営業を続けているパチンコ3店舗を公表しました。千葉市は含まれていません。千葉県が丁寧に説得を続け、結果を出してきていることは評価されるべきだと考えます。
私は以前から申し上げてきたとおり、パチンコ店にばかり注目が集まるのは異常で、それ以上にリスクのあるキャバクラ等の接伴飲食業、向かい合って長時間いる雀荘、近接して大声を発するカラオケ等などが県の休業要請に応じることが重要です。特に接伴飲食業については業界の方々には申し訳ありませんが、5月7日以降も一定の制約を設けることを検討して欲しいと考えています。

政府は緊急事態宣言を1ヶ月延長

政府が1ヶ月程度、緊急事態宣言を延長することがほぼ確実となりました。
専門家会議の資料や会見を見ると、私が言ってきたことと趣旨は同じ(徐々に緩め、増加が見られたら引き締める)なのですが、緊急事態宣言を1ヶ月も延長して国民の疲労感を高め、かつ実質的に緩和していくコミュニケーションを取るよりは、緊急事態宣言を1~2週間延長して、解除しつつ一定の自粛を求める方が国民の理解が得られやすいと私は考えます。

専門家会議など感染症専門家は当然感染拡大防止を最優先に考えますから、そのような提言になることは不思議ではありません。しかし、緊急事態宣言の延長によって起きる失業・精神疾患など社会的ダメージを考え、全体幸福をどのように追及するのかが政府には求められます。

この間、メディアを中心に政府対応の批判が連日行われ、国民の政府対応への信頼度が先進国で最も低い状況となってしまった状況下で、政府としては安全サイドに立った意思決定を行わざるをえなくなった背景もあるのでしょう。
先進国で最も死者数や重症化率が抑えられているグループに属するにも関わらず、それ以上に今も感染者や死者が出ている国よりも緊急事態宣言が長引き、学校が休校し続ける結果には政治家として複雑な気持ちを抱かざるを得ません。ヨーロッパでは学校・教育を最優先にして再開がそれぞれ決まっています。

政府は「緊急事態宣言は延長するけど、自治体の判断で色々と緩和していいから。学校も再開を考えて」と説明するようです。良く言えば地方自治体の自主性を尊重、悪く言えば丸投げです。
確かに緊急事態宣言を受けて当初は休業要請も出さずに2週間様子を見る予定が、東京都の危機感に押される形で多くの都府県で休業要請が発出され、政府の当初の想定以上に強い行動制約が行われてきました。ある意味今は緊急事態宣言の第2ステージと定義できるかもしれません。5月7日以降の緊急事態宣言の延長は元の「様子を見る」第1ステージでもいいんだ、という考えは理屈としては成り立ちます。

ただ、国民は緊急事態宣言とは第2ステージの今のような状況を指すと理解していますので、「緊急事態宣言が延長、でも休業要請は行わない、学校も再開する」という理屈が国民に受け入れられるか、政府も地方自治体も非常に難しいリスクコミュニケーションを求められます。
逆に「緊急事態宣言が続いているにも関わらず、これはいったいなんなんだ?」と不信感が醸成され、今後行政の自粛要請などの拘束力の低い要請に国民が徐々に応えなくなってくるリスクがあります。

どれほどの地方自治体が国に判断を丸投げされ、政治的にリスクを取って学校の再開など社会を機能させる方向に決断ができるでしょうか。
とはいえ、私たちでコントロールできないものに不満を言っても仕方がありません。私たち千葉市は特措法の権限を有する千葉県の対応方針を基本としつつ、市レベルで何ができるか検討していきます。私としては先日述べたように1~2週間程度延長し、その後は夜間外出自粛等は強く求めながら、学校を中心に徐々に緩和していくことが望ましいと考えます。

特別定額給付金、オンラインは5月15日より申請開始

特別定額給付金について昨日、オンライン申請方式を5月15日より開始し、下旬より順次給付を行うこと、郵送は5月下旬~6月初旬に発送予定で調整中であることを公表しました。
特別態勢を敷き、当然休日も返上して、1日でも早く申請を受け付け、給付できるよう、職員も民間企業の皆さんも全力で取り組んでいます。早く給付して欲しいと考える皆さんにはお待たせして大変申し訳ありません。
GW明けには郵送部分についてさらに確定したスケジュールをお伝えします。

全国で比較的人口の多い自治体は、それぞれの市民から「なぜうちの市は遅いのだ」と責められている状況です。繰り返しますが、世帯数に比例して期間を要するのはシステム制約上やむを得ないものであり、自治体の姿勢によるものではありません。
定額給付金など以前の大規模な給付金事業に比べれば信じられないスケジュールを実現するため、地方自治体もシステム事業者も金融関係者も、関わる全ての人が最優先で今取り組んでいます。
言い訳はしたくありませんが、政府が迷走し、一律給付が遅れたツケを地方自治体や民間企業が一身に背負っている状況に何とも言えない感情を抱いています。国民の皆さんの切迫した状況を考えれば致し方ないと思いますが、後日しっかりと検証・総括されるべきです。

このGW期間中も、新型コロナウイルスを始めとする各種疾病に向き合って頂いている医療関係者を始め、私たちの社会を維持するために働いて頂いている全ての皆さまに心から感謝し、ともに思いやりをもってこの難局を乗り越えていきましょう。
そして、この経験を「あんなこともあったね」という思い出で済まさず、今回、何が正しく、何が愚かだったか、次の時、私たち自身、私たちの社会はどのように対応すべきか、考える大事な5日間としましょう。