[2020年5月3日] 5日連続で感染者発表は無し。感染傾向、GW期間中の困窮者支援

5日連続で感染者発表は無し

5月2日の感染者の発表はありませんでした(検査件数58人)。これで千葉市は5日連続となります。千葉県全体でも7日連続1桁となっています。
皆さまのこの間の行動変容の積み重ねの結果であり、心から敬意を表します。
5月2日にも申し上げたとおり、ずっとゼロというわけにはいかないと思います(もちろんそれを目指しています)。散発的な感染は出るでしょう。感染者情報に一喜一憂せず、全体的な傾向を捉えて判断していきましょう。

一方、東京都は2日続けて100人を超える感染者が確認されています。市中感染状況を把握する上では「感染経路不明の感染者数がどのように推移しているか」を見ていく必要があります。
東京都は連日感染者の半数以上がクラスター化した施設など、既存感染者の濃厚接触者となっており、感染経路不明の感染者数の推移は着実な低減傾向を示しています。東京都も行動変容の積み重ねにより市中感染リスクは低減しつつあると言えます。

ただし、繰り返し私が申し上げているように、この新型コロナウイルスで警戒すべきは高齢者や基礎疾患所有者など高リスク群の感染です。医療機関や介護施設での集団発生をいかに防ぐことができるか、この部分を今後も社会として行政として意識して、これら施設や従事者を支援していく必要があります。
改めて医療・介護関係者の方々に心から感謝を申し上げます。

千葉市では医療機関や介護施設に継続的にマスク等を支援しているほか、国は消毒液の生産管理を行い、自治体を経由してこうした施設に消毒液を優先的に回す体制を取っています。
まだまだ医療資材が潤沢にあるという状況ではありませんが、あらゆる方策を活用し、現場に医療資材を届ける意識は全ての関係者に浸透しています。

福岡市の感染傾向から見る特徴

福岡市が4月末までの感染者の状況・傾向を発表しました。
福岡市は4月末までで感染者が361人と、千葉市との人口差を考慮しても大変感染者が多い状況です。九州随一の都市であり、繁華街を抱える都市ならではの特徴が出ています。

・男性が205人で57%を占めている
・年代別では男性で30~50代が約57%
・女性(156人)で20~30代が37%
・職種が分かった男女90人のうち経営者・役員等が31人で、3分の1を占めている
・市は「いろんな人と会い、県外も含めあちこち出かける人」は感染のリスクも大きいとのこと
・感染前の行動履歴が判明した104人のうち、海外か東京・大阪を訪れた人が22人、会食や接客を伴う飲食業との関わりがあった人が40人いた。このうち店が特定できた24人の事例をみると、繁華街の中洲が多く、博多、天神も目立った

この傾向は私も以前から高島市長と意見交換する中で明かされていたもので、他の首長と話をしても「50代男性、20・30代女性の割合が非常に高い。自営業・役員など、接待や会食の機会が多いと思われる層が目立つ」との感想は誰もが持っています。千葉市も同様です。

一時期、東京都は感染者の3分の1が「夜のクラスター」と呼ばれるキャバクラ等の接伴飲食業などが起因となった感染でした。こうした空間に出入りしていた方(従業員、利用者)はこの事実を保健所の聞き取りで言わない、言っても非公表を望む傾向が強く、潜在的にはより多くの感染者がこうした空間に出入りしていたと推測されます。

8割低減を提唱した西浦教授は「本当は6割程度で済むが、今の流行は性的接触を含めて介入しにくい部分でも伝播(感染)が起こっている。そういう介入しにくい部分の接触を他で補填(ほてん)することを視野に入れて全人口で8割削減できるとコントロールできる」と話しています。

欧米など、都市封鎖を緩和しつつある国でも、ナイトクラブ等に対しては規制をかけ続けている国も少なくありません。
夜の繁華街を起因とした感染拡大をいかに防ぐことができるか、この部分は権限を有する国・県がしっかり考えて欲しいと思います。

なお、上記データはあくまで全体データから見える傾向です。
自営業・役員だから必ずしもこうした空間に出入りしていたとは限りませんし、業界の中にも感染予防に努めている店舗関係者もいらっしゃると思います。
偏見を持たず、しかし風営法関連の業種・空間が特に感染リスクが高いことを十分に理解し、適切な対応を社会が選択していくことが重要です。

GW期間中の困窮者への支援

新型コロナウイルス感染症の影響を受け経済的な不安を抱える方を対象に、ゴールデンウィーク中に臨時電話相談を実施します。

〇生活困窮者向け臨時電話相談
(1)対象者
千葉市にお住まいで経済的な不安について相談を希望する方
(2)実施日
令和2年5月4日(月)~6日(水)
(3)相談時間
9:00~17:00
(4)利用方法
以下の電話・FAX・Eメールにてご相談ください。(感染拡大防止のため、対面による相談は行いません。)
・T E L 043-245-5720
・F A X 043-245-5721
・Eメール fukushi-soudan@city.chiba.lg.jp

また、千葉市社会福祉協議会ではGW期間中の4、5日も臨時電話相談窓口を開設し、個人向け特例貸付(緊急小口・総合支援)の相談に対応します。
http://www.chiba-shakyo.jp/2020/04/28/kashitsuke-covid-19-2/

さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う離職者や休業要請により行き場を失ったネットカフェの長期滞在者など、一定の住居を持たない生活困窮者等に対し、新たにビジネスホテルを活用して一時的な居所を提供します。
宿泊施設の利用を希望する方は、生活自立・仕事相談センターにご相談下さい。

受付時間は、平日(祝日等を除く)の8:30~17:30です。ただし、5月4日(月)から6日(水)までの3日間は、「生活困窮者向け臨時電話相談」(電話043-245-5720)で相談を受け付けます。
利用可能期間は原則1週間で、宿泊施設利用中に生活自立・仕事相談センターと連携し、民間賃貸住宅、市営住宅等への入居やその後の支援を行います。

社会機能の制約が長期間続くことで、職を失う方、住まいを失う方、社会との関りが希薄化することで精神的に追い詰められる方、自殺など、社会の様々な負の側面が出てきます。
私たちは社会と繋がりを持つことでバランスを保っています。健康な人は見えにくいですが、社会との繋がりによってかろうじてバランスを維持している方にとってはこの状況は極めて危険な状況です。

福祉の部隊は人との接触が制約され、そうしたリスクを早期発見・ケアが難しくなっていることをもどかしく思っています。
早く社会が少しずつ正常化し、一番苦しい状況にある社会的弱者に支援が行き届けられるよう、私たちは行動変容を続けていきましょう。