[2020年2月27日] PCR検査の限界、どういう時にPCR検査を活用すべきか

有益な記事をご紹介し、私の考え方について申し上げます。

「新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました」
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto…

テレビをつけると、自称専門家や政治家の方々がやたらと検査、検査と叫んでいますが、こうした方々よりもPCR検査の限界や、どういう時にPCR検査を活用すべきかをエビデンス付きで説明する方々の言説に耳を傾けることをお勧めします。
医療資源全体を見ることができる、もしくは責任を持つ医療関係者や政治家等はPCR検査が万能でないことを説明しています。

千葉市では教員が罹患した学校で発熱等を訴える教員・生徒にPCR検査を実施しているほか、帰国者・接触者外来の要請に基づき適切に検査しています。さらに1台追加して体制も強化します。

繰り返しになりますが、今案件は長期化することが予測される中、医療現場の疲弊に配慮しながら、限られた医療資源を活用する必要があります。新型コロナへの対応は極めて重要ですが、医療現場は他にも生命に関わる各種疾患に向き合っています。

PCR検査はインフルエンザの簡易検査のような簡単な話ではありません。専門医師が防護服を着て、り患に細心の注意を払いながら検体を取り、さらにその検体を慎重に運搬し、千葉市であれば環境保健研究所で同じく厳重に注意しながら検査しています。常にり患、感染拡大のリスクと隣り合わせに検査しています。
医師は余っていません。特に新型コロナウイルスに対応できる医療機関は、千葉市を始め日本全国どこでも最後の砦のような重要医療機関です。その重要医療機関に負担させて検査しても、特効薬も無く、結局は対処療法になります。このバランスを考えれば闇雲に検査拡大を叫ぶ合理性に欠けることが理解できると思います。検査を否定しているわけではありません。重症者、感染経路の特定など、戦略的にPCR検査は活用すべきなのです。

中国、武漢は住民がパニックになり、新型コロナにり患していない人も我も我もと検査を求めて医療機関に押し寄せ、医療現場の崩壊、医療現場での感染拡大に繋がり、平常時であれば適切な医療を受けられたであろう、新型コロナ以外にり患した人達が死亡するなど、痛ましい状況に陥りました。
韓国も新興宗教内で集中的に感染が起きるなど、日本とは状況が違います。「中国や韓国はこんなに検査しているのに!」という言説にも惑わされないで下さい。

大事なことは高齢者や基礎疾患のある方などを中心に、重篤化させないことです。そして、新型コロナの関係で、それ以外の危険な疾患を持つ方が医療にアクセスできない状況が発生しないようにすることです。

政治家、特に野党の政治家は専門家から正しい知見を得て、勉強して、その上で政府の対応について検証し、適切な提言をして頂きたいと思います。このような難局に、不必要に政府批判をして人心を混乱させている場合ではありません。政府批判をするなと言っているわけではありません。私も政府の対応には言いたいことがいっぱいあります。建設的な提言によってこそ、政党・政治家は信頼を勝ち取るべきなのです。