[2020年4月3日] 市内で感染者が3名、感染リスクを評価するまで学校の春休みを延長します

結論から先に申し上げます。
本日(4月3日)、新型コロナウイルスの感染が3名確認(うち2名が市内勤務)され、その中にクラスター化しやすい市内の場所に出入りしていた方が含まれることから、市内感染リスクを見極めるまで、春休みを暫定的に延長することを市教育委員会に要請しました。

結論は以上ですが、結論に至るまでの私たちの基準や考え方は皆さまの今後の見通しにとって重要なので、市民の皆さま、特に保護者の皆さまに向けて詳細にご説明します。

本日感染が確認された方々の概況

クラスター化しやすい場所に出入りしていた方が、その事実について個人が特定されないよう非公表を強く要望しているため、本日(4月3日)判明した3名について詳細を公表することはできません(年代、性別、千葉市居住、症状・経過は公表)。
ただし、私たちは市内に感染拡大させないため、感染者の方々の行動経路の分析、濃厚接触者の調査など積極的疫学調査を進めていきます。

【追記】
※非公表に対して様々なご意見がありますが、私達も非公表としたいわけではありません。現在の法律では非公表を希望する患者の個人情報について保健所が公表する権限がありません。それでも何とか感染リスクを市民に呼び掛けるため、今回の表現としました。

いずれの方も症状は安定しているほか、発症後は自宅待機しており、ご家族など濃厚接触者で症状を訴えている方は現時点でいません。
本日(4月3日)、新型コロナウイルスの感染が疑われる事例を21件PCR検査し、3件が陽性です。

なお、市外在住の保育士の感染が確認された民間保育園においては全職員34名、児童59名(濃厚接触者+希望者)のPCR検査が終了し、全て陰性でした。
健康観察で問題がないとされた職員・児童は本来は継続的な健康観察のみで疫学上は十分でしたが、乳幼児が含まれること、4月から小学校に入学する児童が他者からいじめ等に遭うリスク等を考慮し、私たちの判断で踏み込んでPCR検査を実施しています。

学校再開の延期に至る理由

昨日(4月2日)、学校の再開・休校についての考え方をご説明したように、新型コロナウイルスを感染拡大させているのは成人であり、子どもが感染を拡大する役割を殆ど担っていないという国の専門家会議のエビデンスに基づき、成人の強い行動制約に伴い、市教育委員会が学校休校を判断・選択するという考えです。

その上で、千葉市の感染リスクを評価した結果、国の専門家会議が示す「感染拡大警戒地域」(現在、東京都と大阪府が該当)に千葉市も該当するおそれがあると判断した場合、まず成人においては現在要請している平日夜間と週末の外出自粛に加えて、東京都と同様に、千葉市内の平日の勤務についても在宅勤務をして頂くなど、できる限りの外出自粛を要請します。そして、学校についても休校措置を取ります。

本日(4月3日)の感染者について、これまでの例から感染拡大リスクが高いと言われているクラスター化しやすい場所に出入りした方が含まれることから、慎重に市内感染リスクを評価していきますが、学校再開まで時間が無いことを私たちは懸念しました。
学校・児童生徒・保護者の混乱を極力避けたい、何より、感染リスクを見極めるまでの間、子ども達の安全を最優先にしたいとの考えから、「春休みの暫定的な延長について本日中に決断することが必要」と市教育委員会に要請し、判断頂き、学校や保護者に伝えることとした次第です。

入学式・始業式については学校再開次第、実施する考えです。
保護者・児童生徒の皆さん、さらには学校現場にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんが、ご理解頂ければ幸いです。

春休みの延長期間と今後について

春休みの延長期間は12日(日曜日)までです。
これは13日の学校再開を必ずしも意味するものではありません。本来であれば市内での感染拡大のおそれがあると判断すれば2週間休校することが私たちの方針です。今回はリスク評価をする前に緊急回避的に春休みの暫定延長を決定したものです。
その間に本日判明した感染者の積極的疫学調査など、千葉市内の感染リスクを見極め、東京都や大阪府と同様の「感染拡大警戒地域」にまで拡大するおそれがあると判断されれば、その時点で先ほど述べたように成人に対する今以上に強い行動自粛要請と、学校再開の可否を判断します。

なお、感染リスクの判断には市の公衆衛生部門だけではなく、第三者の判断も仰ぎます。こうした事態を想定して千葉市では公衆衛生・呼吸器等の専門家で構成される「千葉市感染症診査協議会 新型コロナウイルス感染症部会」を立ち上げており、この会議の助言も得ながら、千葉市の感染リスクを評価し、それに基づく適切な対策を取っていきます。
私には原発事故に伴う放射能問題等の教訓があったので、1月の時点で保健福祉局長に会議の設置検討と人選を指示しておいたのが役に立ちました。

今後も科学的知見に基づく方針をしっかりと持ち、その上で刻々と変化していく事態に即応していきますので、市民の皆さまには千葉市からの情報に注意頂き、適切な感染予防行動を取って頂きますようお願いいたします。

子どもルームについて

春休みの暫定延長に伴い、働いている保護者のため子どもルームは午前中から開所できるよう、調整に入っています。指導員の確保などがあるため、調整ができ次第、市ホームページで公表しますので、それまではお待ち頂くようお願いいたします。
また、子どもルームは既に感染予防対策として教室を一部活用して分散するなど対策を講じており、今後も指導員の皆さまのご協力を得ながら感染予防対策に取り組んでいきます。

市民の皆さまへ

千葉市ではこれまでも東京都の会見以前より東京都内の感染リスクへの注意喚起と往来自粛を求めるなど、市内外の感染リスクに対して警鐘を鳴らし、適切な行動変容をお願してきました。
新型コロナウイルスは主に接触感染・飛沫感染により感染します。3つの密と呼ばれる『換気の悪い密閉空間』『多くの人が密集』『近距離での密接した会話』、特にこれらの要素が重なる場面においてクラスターが発生しています。
千葉県が要請している「平日夜間の外出」「週末の外出」は人々がこうした空間に立ち寄りやすいことから発出されています。新型コロナウイルスの特性を理解し、皆さまの適切な行動をお願いいたします。
そして、何よりご自身の体温測定などの健康観察を毎日こまめに行って頂き、発熱や咳等の症状があれば自宅待機をして頂きたいと思います。この行動を全ての方が実施するだけで感染拡大リスクを大幅に低減できるため、徹底した健康観察にご理解願います。

クラスターの一例
北海道 ライブバーや展示会を介した感染
千葉県 スポーツジムを介した感染
東京都 屋形船を介した感染
大阪府 ライブハウスを介した感染
新潟県 卓球スクールを介した感染
愛知県 スポーツジムを介した感染
※3月30日の東京都の発表では、夜間から早朝にかけての接待飲食店(ナイトクラブ、バー、酒場、キャバレー等)での発症例が多いとされています。
また、熊本市では温浴施設でクラスターが発生した可能性があると報道されています。