[2020年7月31日]実効再生産数から見る感染状況、事業者向け支援の状況など

実効再生産数から見る感染状況、事業者向け支援の状況など

東京都を中心とする感染が千葉県を始めとする首都圏に拡大し、そして現在は大阪・愛知・福岡など各地で過去最多の感染者、人口比で見れば東京以上の感染状況となっています。

繰り返し申し上げてきたように感染者数に一喜一憂せず、感染の中身、さらには医療現場の状況を常に注視して、私たちが今どのステージにあり、今後どのような行動が求められるかを慎重に見極めていくことが重要です。

ここで久しぶりに実効再生産数を紹介します。この数値は1人の感染者が何人に感染させるかを表しており、1.0以上だと感染拡大へ、1.0未満だと収束へと向かいます。
千葉県は6/28から1.0を超え、7/11には1.68まで上昇し、7/23から1.0未満となり、7/29には0.29となっています。東京は徐々に下がっていますが、まだ1.0を安定して下回るには至っていません。

千葉県もまだ1.0未満となって日が浅いですし、東京は1.0を超えていることから、まだ到底楽観視はできませんが、この状況が続けば好転の可能性も見えてくるので、今後も市民・事業者の皆さんと着実に感染予防行動を積み重ねていきたいと思います。

今回は事業者向け支援の状況をご紹介します。

●事業者向け臨時相談窓口【4/20~】
・相談件数:2,626件
・セーフティネット融資:3,495件

●市内宿泊施設でのテレワークプラン利用促進支援【4/28~】
・利用者数:5,024人
・宿泊施設への衛生対策補助:5件

●宿泊施設利用促進事業(Stay CHIBAキャンペーン(ちば割))【7/6~】
・利用者数:1,728人

●理美容店利用促進事業【7/6~】
・申込店舗数:209店舗
・利用者数:567人

●テナント支援協力金(オーナーの家賃減免に応じて最大50万円補助)【4/28~6/30】
・申請:1,489テナント
・支出済額:4億7,655万円

●テナント支援金(直接テナントに家賃支援)【6/26~8/7】
・申請:139テナント
・支出済額:1,981万円

(終了)
●飲食店のデリバリー対応支援
・利用者向けポイント付与:46,701件
・飲食店向け手数料等補助:66店舗

上記に加えて先日可決された補正予算を受けて、国の持続化給付金や県の支援策の対象とならない売上2~5割減の事業者に対する市独自の給付金事業などが順次スタートします。

事業者は国の持続化給付金のほか、市の家賃補助、その後の国の家賃支援があり、さらに資金繰り支援によって無担保で多額の借り入れをしているため、しばらくはこの資金を使って苦境を乗り切っているところが多い現状です。
リーマンショックを超える苦境にありながら、倒産等が一気に増えていないのはこうした背景があります。

これは市民も同様で、生活保護申請件数が昨年と比べて現時点で目立って増えていないのは、緊急小口貸付、特別定額給付金、住宅確保給付金などによる支援が影響していると考えられます。

ただし、上記支援で事業者・市民の苦境を全て支えられるわけではありませんし、また上記支援が終了した場合、一気に影響が出てきます。
実態に応じた切れ目のない支援策を国に求めていくとともに、市としても苦しい状況にある事業者や市民の実態をしっかりと把握し、今後も機動的に予算編成を行い、生活支援・経済活性化を図っていきます。

最後に7月8日のFBの記事を抜粋します。
今後も常に先を見据えて必要な対策を重ねていきたいと思います。
実はこの時点では7月末には東京は1日あたり500人を超える感染者になることも覚悟し、所管にはその旨を伝えていました。

現在、首都圏は3月前半の頃に近いのではないかという感覚を持っています。
若い世代が媒介となり、ウイルスを拡散させ、その後に3月下旬以降の感染拡大につながったと言われています。当時は37.5度の熱が4日連続続く場合など、PCR検査を実施する基準が今と異なっていたため、比較的症状が現れにくい若い世代は検査に至らず可視化されなかったわけですが、今回は可視化されなかった最初の兆候を捉えることができているのではないでしょうか。

当時と異なり、検査体制も充実してきていますし、軽症者用のホテル、一定程度の病床確保など医療体制も充実しています。
しかし、この若い世代の感染と拡散を止められなければ、7月下旬頃には3月下旬と同じように、若い世代以外の感染経路不明の感染者が増加していくことになるのではと危惧されます。
経済的ダメージへの配慮から国や県が強い外出自粛や緊急事態宣言を発出しづらいことを考えると、感染拡大を抑える手段が当時より弱くなるリスクもあります。

千葉市では昨日(7/7)、対策本部会議を開催し、各種対策を議論するとともに、市民の皆さんに

・キャバクラ・ホストクラブなどの接待を伴う飲食店や会食によると見られる感染が増えていること
・飲食の際は3密を避け、感染症対策に取り組むお店を利用すること
・特に東京での接待飲食店の利用や会食はできる限り控える
・手洗い、検温、距離を取るなど基本的な感染予防行動

などを呼び掛けることを決定しました。
皆さまもご留意頂きますよう、お願いいたします。

接待を伴う飲食店への対策が重要であることは宣言解除時に繰り返し申し上げてきました。
千葉市ではこれら店舗に対して、QRコードによるコロナ追跡サービス、対策に取り組む店の紹介、積極的なPCR検査の呼びかけなどを行っており、今後もさらにアプローチを強化していきます。

東京都はいずれ業種を絞った形で今より踏み込んだ対策を取ると想定されます。
千葉県に対しても、最終的にはこれら業種への休業要請(とその支援)も視野に、事前に対策について洗い出し、県内の感染状況や東京都の出方などに即応できるよう求めていきます。