台風15号への対応(9/8~13):初動

9月8日

台風15号は6日(金)時点では小型の台風という予報でしたが、徐々に予報が変わり、超大型の台風に。千葉市では警戒態勢を敷き、市民にもこのような形で注意喚起しました。

9月9日

台風15号は千葉市付近に上陸。観測史上最大の瞬間風速57mを計測するなど、県内各地に甚大な被害をもたらしました。5時27分、土砂災害警戒情報を発表を受けて、該当地区に避難勧告を発令し、地域防災計画に基づき災害対策本部を設置。その後、災害対策本部員会議を開催し、被害状況の把握と人命救助を最優先に行動することを指示しました。

9月10日

大規模な停電継続を受けて「未だかつてない特殊災害」との認識に立ち、各部署に最も多くの指示を出した1日でした。前日に土砂災害警戒情報の解除を受けて災害対策本部⇒災害警戒本部に移行したため、後に一部報道機関から「災害対策本部を解散した」と誤った批判報道をされましたが、24時間体制で必要な人員を配置し、マニュアルにない特別な対応を一つひとつ打っています。また、危機管理部門・区対策本部の人員不足に対応するため、全庁から人員をねん出することを指示しました。

2018年の北海道の大規模停電を受け、災害時の非常電源を確保するため、JFEスチール・NTTと協定を締結し、EV車等の提供を受けられる枠組みを構築していました。さらに全国から電源車をかき集めるため、私からNTT社長室に電話し、できる限り電源車を回してもらうことを要請したほか、千葉市選出の小林鷹之代議士にも、国主導で全国の電源車・携帯基地局車を集めてもらうよう依頼しました。
 

給水に関しては、県水道・市水道ともに浄水場は通電もしくは自家発電により給水そのものは行えていましたが、若葉区・緑区など井戸水で生活している地域は停電によりポンプが作動せず事実上の断水になり、集合住宅も同様の状況。千葉市の殆どを給水している県企業局に給水車の派遣依頼を出すも断られたため、各公民館などで給水活動を行ったほか、市水道局が所有する給水車と、荷台にタンクを積んだ車両を出して、優先順位の高い福祉施設に給水活動を行いました。
 
また、停電地域ではスーパーやコンビニが営業を停止する等、車を所有しない市民が物資不足で困っているとの情報が入り、イオンに依頼して移動販売車を物資不足の地域を巡回する指示をしました。
 
他にも9~11日が大変暑い日だったにも関わらず、停電によりエアコンが動かず、避難所に設定した市施設も停電という状況が続いたため、なんとかして停電地域に涼をとれる環境を作るため、市が所有するバスと借り上げた観光バスを停電地区に派遣して、移動避難所として稼働させました。
 

9月11日

東京電力の千葉総支社長がお越しになり、12日中に千葉市内は復旧するとの見通しが伝えられましたが、私からは若葉区・緑区はそんなに簡単ではないのではないかと申し上げました。市幹部でも東京電力の発表を前提にする動きがありましたが、楽観的な見通しを持たずに対応にあたるよう指示しています。
この時に、私からは「作業員の方がどのように休んでいるのか」と聞いたところ、発電所や事業所に雑魚寝や車中泊をしていると聞き、市所有の宿泊施設等で作業員の休憩場所を提供できないか検討するよう指示しました。

この頃から携帯基地局等の通信インフラの非常電源が切れ、市内各地で通信の途絶が進み、市民はSOSが出せず、行政は停電地区の実態把握や支援情報の伝達が困難になってきましたので、広報車や自治会など様々な手段を活用しています。

 

停電復旧後の通電火災について消防局等が早い時期からこのように注意喚起をしましたが、後日、市内で通電火災と思われる火災が発生しています。
 

停電3日目で、停電によりガスは無事でもお風呂に入れない市民のことを考慮し、市施設のお風呂・シャワーを無料開放する指示をしたほか、SNS等で市民の要望が多かったペットと避難できる避難所開設を指示しました。この時の経験が生き、台風19号の際は各区に1ヶ所ペットと避難可能な避難所を開設しています。
 

若葉いきいきプラザは修繕の後に無料開放し、多くの方にご利用頂きました。

 

停電の長期化を受け、給水活動をさらに拡大するため、親交がある川崎市の福田市長に直接電話し、給水車の派遣を要請。既に要請があれば派遣できる体制を整えて頂いていたこともあり、午後には千葉市に到着し、その日のうちに給水活動を開始頂きました。他にも、さいたま市の清水市長、つくば市の五十嵐市長にブルーシートの支援を要請する等、首長同志の交流によりスピーディな支援を頂いています。
 

特殊災害への各種指示がひと段落したため、区役所・避難所・被害現場などを視察し、現場の実情をさらに詳しく把握しました。首長の被災地に入るタイミングは様々な議論がありますが、
① 災害指揮に一定の整理をつけること
② 視察先に稼働を強いる視察はしないこと
③ ただ見に行くのではなく事前の情報をもとに対策を立て、それが現場に即しているかの確認やさらに詳しい情報を取得するため視察すること
が重要と私は考えます。何も対策を持たず手ぶらで「見に行くことが目的」の視察は無意味です。
 

9月12日

私のWebサイトを経由して頂いたご意見です(第二養護学校について)。自粛ムードは災害の度に起きますが、誰の助けにもなりません。思いを寄せる気持ち自体は素晴らしいと思いますが、養護学校の子供たちにとっては重要なプログラムのため、直接ご本人にその旨をお伝えしました。この件は多くの報道機関に取り上げられ、過剰な自粛を少しは予防できたかと思います。
 

 
災害発生からの動向をまとめ、フェイスブックで発信しました。
→ フェイスブック(9月12日)はこちら
 

9月13日

長期停電で困っている方々へ直接返信をしました。この頃になると「自分は忘れられているのではないか」「復旧扱いになっていて作業してくれていないのでは」と不安になる方々が多く、そうした方々に「市として把握している。復旧に向けて作業は予定されている」ということを伝える必要を感じたためです。後にこの返信に勇気づけられたという方も多く、被災者の気持ちに寄り添いトップがメッセージを伝えることの重要性を痛感します。
 

いち早く全国に寄付金の呼びかけを行い、千葉市は大変多くのご寄附を頂戴しました。この寄付金を活用して、従来であれば見舞金の対象にならなかった一部損壊の世帯へ特別見舞金を支給できたほか、国の生活再建支援制度で支援金を受けられない半壊世帯の方への支援金の支給も実現しています。
 

 
 
台風15号への対応(9/14~17):長期停電対応・国交相への要請

 
台風15号への対応(9/18~23):生活再建に向けた国への要請等