災害から県民を守る「防災県」を確立

ビジョン3

災害から県民を守る「防災県」を確立

1日も早い復旧復興、危機管理リーダーシップ、災害に強い県土づくり

災害対応で最も重要なことは「過去の災害の教訓に学ぶ」ということ。千葉市においては全国で大規模災害が発生する度に被災地へ職員を派遣し、被災地の教訓を持ち帰ってきたほか、私自身も被災地を視察し、知事・市長から災害対応について積極的にヒアリングし、学ぶことで危機管理意識を磨いてきました。その蓄積が昨年の相次ぐ災害において千葉市のスピード感ある災害対応につながっています。また、民間企業の力を積極的に防災対策に取り入れていることも特徴です。
県においても災害ノウハウを蓄積するとともに、国頼みの体質を改め、民間企業の支援も引き出しながら全国屈指の防災県を築いていきます。

ビジョンと就任後の取組

  • 被災地の1日も早い復旧・復興に全力を尽くす。被災地に率先して足を運び、自らの目と耳で被災地の状況や市町村が抱える課題を把握し、県庁組織をフル回転させる

    房総半島台風で被害のあった市町村について、就任後に直接訪問し、市町村長等との対話を通じて、現地の状況や復旧・復興に向けた課題を確認。
    停電対策や河川整備などの中長期的な取組を除く56項目(被災住宅修繕緊急支援事業など)は令和4年度中に完了。
  • 防災・危機管理部門を強化するほか、他県で発生した災害の復旧復興を支援することで実践的なノウハウを県庁内に蓄積させる。また、県庁組織が市町村組織と一体となって災害対策が取れるよう平時から交流を進める

    ・東北被災地への職員派遣を継続するとともに、令和4年台風15号で大規模断水が発生した静岡市に対し、いち早く給水車を派遣

    ・防災政策課と危機管理課を「危機管理政策課」と「防災対策課」に改組し、危機管理体制を見直し

  • 情報収集体制を強化する。昨年の台風15号の初動の遅れは情報収集不足にあり、市町村・ライフライン事業者等との日頃からの連携による情報収集に加えて、AIを活用してSNSからも情報を収集するなど、あらゆる手段を駆使して正確な情報収集に基づく対策立案を行う

    災害の発生状況や被害状況の迅速な把握のため、SNSに投稿された情報をAIにより収集・分析し、配信するクラウドサービスを利用
  • 情報の発信を強化する。県民や企業等が安全に避難等の行動が取れるよう、迅速かつ正確な情報提供が必要であり、千葉テレビなど既存メディアを活用して知事自身が自らの言葉で県民に対して発信するほか、1都3県で唯一千葉県が立ち上げていない広報Twitterを開設するなど新たなメディアの活用、障害者・外国人などダイバーシティの視点からの情報提供を行う

    ・Twitterアカウント「千葉県防災」を開設、防災に係る情報を発信するとともに、自らのアカウントでも積極的に情報発信

    ・災害時に県と連携して広域的な外国人支援を実施するCCBや市町村等との訓練を実施

    ・避難所で外国人支援を行う人材の養成講座を実施

  • 電力の強靭化、通信の強靭化に取り組む。既に千葉市は「災害に強いまちづくり政策パッケージ」を策定し、全ての避難所への太陽光発電・蓄電池の設置を民間投資により進める等、先駆的取り組みを進めている。県政においてもインフラ企業との連携、災害時に電線等にかかるおそれのある樹木の事前伐採等により、災害に強い県土づくりを進める

    ・電気設備を巻き込んだ倒木や土砂崩れが発生した際に、県、東京電力各支社、各地区建設業協会が連携のうえ迅速に啓開作業が終えられるよう、訓練会場を整備し、実働的な訓練を実施

    ・水道事業体が行う重要給水施設への非常用発電設備設置に対し補助を実施

    ・避難所等の防災拠点に指定されている県有施設に民間投資を活用して太陽光発電設備及び蓄電池を設置し、災害時のレジリエンスを強化
    ・導入対象施設数 76施設(うち学校 57校)

    ・道路・電線等の重要インフラ施設周辺で、風倒木等による被害の未然防止につながる森林整備を実施

    ・電柱・電線の地中化整備の予算を増額し、電力・通信事業者等との調整を加速、安全かつ円滑な道路交通の確保、都市災害の防止等を図る

  • 千葉市消防ヘリコプターを県全体で運用し、防災力の向上と千葉市の負担軽減を図る。千葉県は防災ヘリコプターを一機も所有しておらず、2019年の災害では千葉市消防ヘリコプター2機が千葉市内はもとより県内各地を飛行し、被災状況の収集などに貢献している。県全体での共同運用とすることで、貴重な消防ヘリコプターを県内全域の防災・救助に活用する

    知事・市長をトップとする会議を立ち上げ、2年で千葉市との調整が完了。県から千葉市への補助事業を創設し、千葉市の消防ヘリコプターをより全県的に活用する体制を構築
  • 2019年の災害後、県は危機管理体制、土砂災害・河川氾濫対策など各種防災対策を強化しており、その取り組みを評価し、必要な人員や予算が継続して配分されるよう差配する

    ・危機事案に全庁的に対応するため、知事又は副知事を本部長とする危機管理事案について、防災危機管理部が一元的に本部運営を担う体制を整備

    ・農地や農業用施設等の自然災害による被害、山崩れや地滑りによる被害を未然に防止するための工事を実施

    ・一宮川の流域治水対策について令和4年度:260億、令和5年度:284億円を計上し、強力に推進。また、流域を令和5年10月に特定都市河川に指定することで、流域で一定規模以上の開発をする際は浸水対策が必須に。

  • 消防団や自主防災組織など、地域の防災力向上に向けた取り組みを強化する

    ・地域防災力充実・強化補助金を見直し、法令で努力義務化された要配慮者対策や、今後、進めていくべきデジタル化などについては、補助上限額を引上げ

    ・県内市町村における消防力の向上を図るため、市町村の実施する消防施設・設備の整備に対し補助するとともに、R4から機能別消防団員の加入促進に係る取組等を行った場合、補助率を1/6→1/3に引上げ

  • 動物を飼っている方の防災を支援する。千葉市では2019年の災害においてペットと避難できる避難所を設置。大規模災害時のペットの受け入れ態勢を強化するほか、動物の飼い主に対する防災意識・対策の啓蒙啓発事業を実施する

    地域防災力充実・強化補助金において、ペット同行避難に係る研修会の実施等を補助対象に追加
  • 高齢者、障害者、女性、外国人などダイバーシティの視点を避難所運営など各種災害対応に適切に反映させる

    ・地域防災力充実・強化補助金において、高齢者や障害者が避難所で利用する施設・物品等(避難所の手すりや誘導灯など)を補助対象に追加

    ・女性の起業・就労・就農支援や防災女性リーダーの養成講座、大学・企業と連携した講座等を実施

    ・災害時に県と連携して広域的な外国人支援を実施するCCBや市町村等との訓練を実施

  • 成田空港に国際物流拠点を整備し、大規模災害時に国際支援を受ける拠点にする

    成田空港周辺の土地利用の規制緩和に全庁を挙げて取り組んだ結果、成田空港周辺9市町において、空港機能と一体的利用が必要な物流施設等を整備する場合、地域未来促進投資法を弾力的に活用することで、例外的に、農地を含む土地を事業用地として選定することを可能とする方針が国から示され、第1弾として、グッドマン社が多古町において巨大物流拠点を開発する計画を発表
  • 災害は常に想定していない分野で発生する。千葉県が最も警戒すべき千葉県東方沖地震や東京湾北部地震だけでなく、あらゆる災害を想定し、備えを行う

    新たに「富士山等の噴火に伴う降灰対策に関する対応指針」を策定したほか、令和6~7年度に地震被害想定調査を実施するため、本調査で必要となるデータの採取に向けたボーリングを県東部・南部の5か所で実施

防犯と交通安全施策に力を入れ、安全・安心な千葉県を実現します

関係者の努力により、この間、刑法犯認知件数は着実に低減しており、今後も人 員・予算を確保するとともに、県民への啓発や地域との協力体制を強化し、安全 安心の千葉県づくりを推進します。
また、交通事故減少に向けて、県民の運転マナーの向上を徹底して呼びかけると ともに、道路の白線消えの解消に向けて予算を増額します。

ビジョンと就任後の取組

  • 防犯カメラの設置、活用するシステム整備などを着実に進め、犯罪の予防や発生時の迅速な対応を図る

    防犯カメラやドライブレコーダーの映像記録の解析を迅速化し、事件の早期解決を図るため、最新の映像解析システムを導入したほか、県内主要駅周辺の繁華街を中心に街頭防犯カメラを設置、防犯カメラ映像等解析用パソコンの増強を実施
  • 電話de詐欺、性犯罪・性暴力、DV・ストーカーなど、各種犯罪への対策と被害者支援に努める

    ・新たに、市町村が行う電話de詐欺対策機器の貸与・購入補助に助成

    ・性犯罪・性暴力被害者が受診する診療・検査への支援について、支援対象を拡充したほか、緊急の電話相談の受付を夜間・休日まで拡大

  • 交通安全についてオール千葉県での運動を進めていくとともに、首都圏では高い「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」(2019年:31.0%)をさらに高め、横断歩道の交通安全上の価値を高めていく

    ・可搬式オービスを全国で最も配備し、通学路や生活道路における機動的な速度超過取り締まりを展開。
    飲酒運転の根絶に向けあらゆる機会を活用した広報啓発等を実施するとともに、飲酒運転根絶条例の改正により、違反した飲食店に対し新たに罰則が設けられたことなどについて周知を強化。

    ・予算を大幅に増額し、ゼブラ・ストップ運動について啓発を強化

  • 道路の停止線、横断歩道などの引き直しを実施する

    道路標識、道路照明、道路情報提供装置の建替、防護柵の取替、区画線の引き直しを実施
  • 犯罪被害者への支援を強化するとともに、犯罪を犯した人の更生保護・就労支援を行い、5割前後となっている再犯者率を低下させる

    ワンストップで支援の窓口となる犯罪被害者支援コーディネーターを増員するとともに、犯罪被害者等に対して新たに見舞金を支給

次へ東京依存ではない千葉経済圏を確立 前へコロナ対策にリーダーシップを発揮