豊かな海づくり、里づくり

ビジョン8

豊かな海づくり、里づくり

農業・漁業の振興と食文化、漁業文化の確立


農林水産業への投資を着実に行うとともに、民間投資を呼び込む諸制度を構築し、農林水産業に関わる人たちの所得向上を図ります。さらには食文化にまですそ野を広げ、ブランド化を進めていきます。
そして、豊かな農林水産業は産業としてだけではなく、豊かな千葉県の自然とともに、東京とは異なる千葉らしい文化・ライフスタイルにまで昇華させ、千葉県で生きること、過ごすことに付加価値をつけていきます。

ビジョンと就任後の取組

  • 農林水産業の所得向上耕作放棄地対策に取り組むとともに、後継者育成・法人参入の促進などにより農業産出額の向上と雇用創出を図る

    ・スマート農業の推進、生産力向上に資するハウスや省力化機械の新規導入補助に加えて、さつまいも生産拡大緊急プロジェクト事業を創設、健全苗の生産・供給施設整備への補助や高単価な夏季の出荷量を増加させるため、貯蔵庫整備への補助などを実施

    ・精度の高い水温・潮流予測情報を提供したりするシステムの整備など、地域の実態に合ったスマート水産業を推進したほか、サーモンの陸上養殖などへの支援を実施

    ・高齢者や女性の雇用に必要な施設整備、労働者確保に必要な宿泊施設の整備、短期労働力確保のためのマッチングサービス利用料などへ補助を実施

    ・移住希望者等に訴求するため、民間サイトを活用して就農体験談を発信するとともに、地域における新規就農者確保の取組を支援

  • 農林水産品のブランド化を進めるとともに、農林総合研究センターを強化し、優良品種の育成など各種研究を充実させる

    ・マスメディア、SNS等を活用したプロモーションに加え、農林漁業者と連携した地域資源を活用した商品開発や販売展開支援を実施。また、核となる品目(粒すけ、梨、さつまいも、豚、サバ)を選定し、重点PRを実施

    ・農林総合研究センター機能強化事業として、センシング技術、ICT技術等を活用し、精密かつ省力的な栽培管理技術を開発

  • 鳥獣被害対策を強化する。捕獲従事者の確保対策などを進めるとともに、狩猟体験・ジビエ・革の活用などにより、命と自然の尊さを感じることのできる大地・千葉のアイデンティティを確立する

    ・捕獲の強化や担い手の確保・育成を図るため、県内外の狩猟免許取得者等を対象に、新たに「(仮称)千葉県有害鳥獣捕獲協力隊」を結成

    ・市町村や地域における有害獣対策の支援、ジビエ肉処理加工施設整備支援、「房総ジビエ」活用普及に加え、従来から冬季に実施している料理コンテストに加え、夏季の需要拡大を図るため、加工品部門のコンテストを新設

  • 畜産農家の休暇取得に向けた環境整備など、畜産農家の支援に努めるとともに、酪農発祥の地を有することを活用した施策展開に取り組む

    ・スマート畜産の技術導入の支援のほか、畜産クラスター協議会が行う経営規模拡大等のための施設整備への助成、県南地域でゲノム解析を活用した高能力牛の受精卵供給・利用のモデル事業を実施

    ・荒廃農地等を活用した飼料作物の生産拡大を推進するため、飼料生産機械の導入などへの支援を実施

  • 森林環境譲与税の使途について市町村と連携し、県産木材の利用促進など、林業の支援に取り組む

    森林整備広域連携モデル事業により、浦安市・山武市、習志野市・南房総市の連携が実現。浦安市・習志野市の森林環境譲与税を活用し、山武市・南房総市の森林を整備、該当森林のCO2吸収量を浦安市・習志野市に還元するほか、県産木材の活用を推進
  • 海外における県単位でのブランド訴求がどこまで効果的か(フランスやスペインの各州ブランドに日本人がどこまで関心があるか)、プロモーション会社に税金が流れるだけの結果になっていないか、冷静・客観的な評価を行う
  • 輸出促進にあたっては、茨城県との連携により農業・漁業ともに北海道に匹敵する規模となり、共同で『Tokyo East』ブランドを確立し、海外における販路拡大等に努める等、マーケティングに基づく継続的な輸出促進に努める

    一過性のイベントに留まらず、バイヤー等との関係性構築を重視し、海外輸出事業を展開。また、輸出手続きがワンストップ化された新生成田市場と連携したプロモーション活動、輸入規制が緩和された台湾への輸出拡大に向けた現地プロモーションを実施
  • それぞれのブランド化の支援に加えて、個々の生産物ではなく、食文化など食材を横断した形でのブランド化・マーケティングを推進する。県内の料理人や料理学校との連携に加えて、ミシュランガイドの千葉県版を作成し、千葉料理・千葉の食文化の振興を図る

    若手職員を中心としたプロジェクトチームにより、千葉県産をPRできるアヒージョに醤油を加えた「黒アヒージョ」を考案、関係機関との連携、認知度向上の取組を実施。県外イベントへの参加、県内ではグランピング施設と連携したPRを実施
  • 世界的に人気である寿司を構成する主要な食材である魚・醤油・米・海苔・生姜において、魚の漁獲高1位(銚子港)、醤油の生産額1位、米の生産量9位、海苔の生産量4位、生姜の生産量3位など、全てが高順位であることを受け、『すし県』を宣言し、総合的なPRと支援に取り組むなど、訴求力のある展開を検討する
  • 三方を海に囲まれた県として漁業振興に取り組み、海洋立県を目指す。そのためには漁港や加工工場への投資などに加えて、海に関わる食文化・芸術・生活習俗等にも着目し、より幅広い海洋立県・千葉を確立する。例えば大漁祝の引出物として綱元から網子に配られた『萬祝』とよばれる着物仕立の衣裳・染物は房総の漁業文化を象徴するもの。こうした古来から漁業が盛んな千葉県に宿る文化・芸術の魅力を引き出し、それを伝統文化という世界に留めず、千葉県全体の文化・芸術として展開する

    各漁港の整備、市場機能の強化などへの支援に加えて、新たに「千葉の海・大使」を任命するとともに、県内の小学生が本県の海にまつわる歴史・文化等を学ぶための副読本を制作したほか、中央博物館にて特別展「鯨」を開催

豊かな自然を守るとともに、活用も進めます

千葉県が誇る豊かな自然を次の世代に継承するため、ゼロカーボン宣言に基づき、市町村と連携し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの促進などに取り組みます。あわせて、その豊かな自然に多くの人が触れ、千葉全体の魅力に変えられるよう、民間活力を導入していきます。千葉市では公園への民間活力導入に先駆的に取り組み、森林アスレチック、シーサイドレストラン、合宿拠点などを誘致し、公園の新たな魅力づくりに取り組んできました。

ビジョンと就任後の取組

  • 千葉県の里山、谷津田を保全し、自然豊かな千葉県の魅力を次世代に残す

    中山間地域農村活性化基金を活用し、農山村の素晴らしさの発信や、地域住民活動の活性化を支援
  • 海辺・水辺の保全・活性化を進める。九十九里海岸を始めとする海辺に民間活力を導入して活性化させるほか、主要河川や手賀沼・印旛沼を生かした環境整備、賑わいづくりを国や市町村と連携しながら進める

    県及び沿岸6市町の印旛沼流域かわまちづくり計画に基づき、防災・親水拠点を整備するほか、県立蓮沼海浜公園・富津海浜公園において民間活力導入に向けた取組を推進
  • 再生可能エネルギーの普及促進により、エネルギーの地産地消を進めることで、災害時の電力確保にもつなげる。千葉市では民間企業と連携し、行政負担なく、全ての避難所(学校・公民館)に太陽光発電と蓄電池を設置する事業が進んでいる。こうした取り組みを県内に広げていくとともに、銚子沖の洋上風力発電プロジェクトなど、新たな試みを積極的に支援していく

    ・避難所等の防災拠点に指定されている県有施設76施設に民間投資を活用して太陽光発電設備及び蓄電池を設置し、災害時のレジリエンスを強化

    ・洋上風力発電事業において銚子市沖で事業者が決定したほか、いすみ市沖、九十九里沖においても「促進区域」の指定に向け、関係者と丁寧な協議を進めている

    ・洋上風力発電のメンテナンス港として利用される名洗港の整備を実施したほか、洋上風力発電導入を地域活性化につなげていくための基礎調査を実施

  • 千葉県は東京・神奈川・埼玉と比べ、再生可能エネルギーや電気自動車等への補助が少し遅れている。県内住宅のFIT(固定価格買取制度)終了を見据え、EV車やV2Hへの助成を拡充し、各家庭で生まれた電力が災害時に活用できるようにするなど、電力強靭化を図る

    電気自動車やV2H充放電設備の導入、集合住宅における充電設備の導入に対し、新たに助成
  • 産業廃棄物など各種処分場、金属スクラップヤードなど各種ヤード、残土などに対する実効性ある条例制定・改正の検討を進め、経済活動と両立する環境保全に取り組む

    就任後、実態調査や市町村及び有識者会議の意見聴取等を経て、条例の骨子案を策定。令和5年度中の条例策定に向け、策定作業を加速

千葉の特徴・歴史を活用した文化・スポーツ振興


私は千葉市政において歴史資源に着目し、加曽利貝塚の価値を再発見して大幅に予算を増やし、千葉県初の特別史跡の指定を実現したほか、千葉を興した千葉氏に関連した施策を推進してきました。千葉県の歴史資源を活用した施策を推進するほか、房総に息づく文化・芸術に着目し、千葉文化として広く振興することで千葉文化を確立します。
また、スポーツ環境を確実に整えるとともに、マリンスポーツ振興を通して海洋立県・千葉を確立します。

ビジョンと就任後の取組

  • 千葉県の伝統芸能の保存に取り組むとともに、スポーツ環境を着実に整備する

    ・伝統文化の保存・継承等に取り組むため、県主催で伝統芸能の舞台等を実施したほか、国・県指定文化財(無形)の公開普及等に対して助成

    ・令和元年台風の被害によって閉鎖中の総合スポーツセンター体育館について建替を決定し、基本設計・実施設計を実施したほか、陸上競技場の大型映像装置の設置に向けた基本計画を策定。

  • 「千葉」は万葉集にも出てくる歴史ある地名であり、千葉を治めた千葉一族は源頼朝を助け、鎌倉幕府樹立に貢献した最有力御家人。また、千葉県は朝廷の牧があり、今も馬産県であり、馬術クラブが多い。酪農発祥の地も千葉県にあり、こうした千葉氏や馬術・牧場文化とスポーツを連動させた振興策に取り組む
  • オリンピック史上初めて日本の千葉県で開催されるサーフィン競技。大会の成功はもとより、各種マリンスポーツの振興、さらには千葉県の海洋文化とつなげて広がりを作っていく

    観光コンテンツの開発等に要する経費の2/3を補助し、トッププロサーファーたちと寝食を共にできるサーフレッスンを外房各地のサーフショップと連携して実施したほか、新たに地元市町村等と連携してサーフ文化発信イベントなどを開催
  • パラリンピック4競技の開催を契機に障害者スポーツの振興に県を挙げて取り組み、さらにデフリンピックやスペシャルオリンピックなどへの支援を通して、千葉県の障害者スポーツの振興を図る

    ・新たにパラアスリート等の学校訪問を開始

    ・アスリートに対する支援額を増額したほか、新たに全国大会で実績のあるパラスポーツチーム等に対する支援も実施

    ・障害者スポーツ・レクリエーションセンター体育室における利用環境の改善を図るため、空調設備を整備

    ・パラリンピックを活用した教育を無形のレガシーとして継続

  • 千葉県は里山アートミックス野外ロックフェスなど、広やかな空間を使って音楽や各種アートを楽しむことができる環境を有している。東京とは異なる、自然と一体感を感じることのできる芸術・文化を一つの千葉県文化として捉え、振興することで、千葉県独自のライフスタイルを力強く示していく

    千葉市と連携し、日本最大級の音楽フェス:ロック・イン・ジャパン・フェスティバルの誘致に成功するとともに、そのステージに県内の若者が出演できる機会を設けるとともに、オーディションや県内の高校生を対象とするバックヤードツアーを実施

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